「よっしゃ行くぜ!」 ぶかいヘルメットをかぶり直しているとガクが一声を叫んだ。 その掛け声に続くようにアクセルを踏む音がする。ぶんぶんぶんっ……… 「ちょっまっ」 制止する私の声を無視してバイクはゆっくり走りだした。 初めは歩く程度、自転車ぐらいの速さ、そして車の走る程度………と徐々に加速を繰り返し、最終的には 「早い早い早い早い早い早い早いー!」 と喚かないといられないようなフルスピードへとなっていた。