「待ってだから私一人」 「わかったよ」 諦めたように溜息をつき、ソウは軽やかにバイクにまたがってエンジンを入れた。 満足げにガクもそれに続き、マナブはガクの後ろに器用に乗り込んだ。 どうすればいいか分からず、あたふたしていると横から手が伸びてきた。 「大丈夫ですか」 右目を少し細くしたソウが手を差し伸べてくれたので、反射的に自分の手を添える。 はっと気付いた時にはちゃっかり後ろの席におさまっていて、ぶっきらぼうにヘルメットを渡されていた。