一句整えていると、あははっと人間の手が及んでいない新緑の山の小川のせせらぎのような澄んだ笑い声がした。 ぱっと顔をあげてみると、見るものすべての悪心を浄化させるがごとく安らかで優しげな笑みをたたえた樹君が、学生鞄を肩にしょって私を見下ろしていた。 「あっ!おはよう樹君!」 「おはよう葉木さん。今日も元気だね」 貴方が存在するからこそ私は元気でいられているのです………! 樹君はよいしょっと隣の汚れ一つない席に座った。