とことこと月緋と並んで前の教室を目指す。 そこで今年度のクラス発表が行われるからだ。 私としてはそれは嬉しい。だって離れるかもしれない樹君と数十分の間隣に座れるんだもん。あっ私って乙女ー。 「あなたが乙女ならゴリラも乙女よ」 月緋のツッコミは無視してすっかり愛着が汚れとなり染みついた上履きを踏みつけた。 かかとの潰れた上履きをなじるようにぐりぐりと踏む。決してSなのではない。