「あらあら、ずいぶんと嫌われているみたいね」 顔を上げると、いつもの月緋スマイルが目に入った。きまってその笑みを見ると怖くなるのだが、今だけは安心できた。 私は苦笑し、手元にあったソフトボールをもてあそぶ。土が指と指の間に挟まり、独特の感覚を生み出す。 「なんでかなぁ………?悪いことしたっけ?」 「さぁ?私はあなたじゃないから分からないわ」 私の弱気をバッサリと真情でたたき切った。