月緋、ナイスプレー。 安堵のため息をついていると、すぅっと横を長い黒髪が通り過ぎて行った。 「………むかつく」 去り際にそう吐き捨てられ、色を失って振り向く。 ぎっと敵意をこめた瞳で目をむかれ、挨拶もせずに彼女、千秋は優雅に部室から出て行った。 ぐっと熱くなった目頭を押さえ、悲しい気持ちも抑えつけた。