「俺が天空界にいるときにゃ、『堕天使のベリアル』って異名がついてたぜ」
堕天使!?駄天使の間違いじゃない?
車が近くを通り、窓ガラスを振動させた。私はびくびくしながら遠い眼をする彼を見つめる。
「この自慢の羽で大空を飛びまくってよ。一度、神の寝室飛び込んだときがあったなぁ………そいつ、何してたと思うよ?女装してたんだぜっ!あれは吐き気がしたぜ。いい年こいたおっさんの女装姿は見るもんじゃねぇな」
神女装してたの!?そんな男に私たちは作られたんかい!
このことを、仏教信者に教えてあげたくなったが、怒り狂われて火あぶりにされそうなのでやめておこう。
「………あっまさかあんたそのことで………」
「無能のくせに察しがいいじゃねぇか」
べリアルは濃艶な笑みを浮かべ
「まっそのことがなけりゃ、今頃俺は地獄の底だな」

