プチっとベリアルの何かが切れたが、無視する。 「すっとらーいくっバッターアウト!」 審判のよわよわしい声がグランドに響いた。私はひそかに舌打ちをする。 そんなガラの悪い私を、ベリアルは一望して話しかけてきた。 「なぁナギサ。これおもしれぇか?」 「面白いよー」 亜の立った時だけに味わえるスリル感。自分の力量を測り終えたときの失望と歓喜。 それらを伝えようとしたら1時間はかかりそうなので「面白いよー」だけにしておこう。