「千秋?ああ、あの子は大振りで当たったらホームラン確実のボールを打つのよ」
「バクチタイプってことか?女にしちゃ珍しいな」
確かにそれは言えている。千秋は当たればその分大きく飛ぶのだが、打率が低い。見ていていやなドキドキ感を与えられる。性格も期待を裏切らず大雑把だ。
それだけにおおらかな彼女に嫌われているのもきつい。
三振して帰ってきた千秋は、わびの言葉ひとつなく仲のいい子のところへ行ってしまった。
責めるような視線で私を射てから。
なぜかライバルから怨敵へと嫌われ度が増している気さえしてきた。

