その正体はあっさり分かった。 試合寸前で、2人の部員が身を寄せ合い何やらひそひそ話をしていたのだ。 2人の顔が赤いのは暑さだけではないだろう。 気になって私は「何話してるの?」と話しかけた。2人は注意されると思って慌てた表情だったが、話しかけてきたのが気安い先輩だと理解したらしく、また呆けた色に頬を染めた。 「いえ。なんかリっちゃんが超かっこいい人がいるって言って」 「そっちのほうを見たらすっごいかっこいい人がほんとにいたんですよ!」