は?と思い身を乗り出してその正体を突き止めようとすると 「何してるのナギサ。貴方だけランニングプラス10にしてほしい?」 月緋が口汚く、襟を引っ張り元の位置に上体を起こされた。 その反動で後ろへひっくり返りそうになるが、必死でこらえる。引っ張られて倒れるなんて恥ずかしいし。 「では、行きましょうか。みんな準備して」 月緋の長い説明が終わり、部員たちは練習の準備を始める。 私もそれに従い黙々とグローブを取り出すが、やはりあの何かが気になって仕方がなかった。