「あっと昨日はね………」 「こんなバカ放っておいて今日の練習メニューを説明するわ」 「ちょっ!放っておかないで!」 このやり取りで部室に笑いの渦がまいた。しかし千秋だけが仏頂面でそっぽを向いている。 やっぱり嫌われてるんだな、と改めて傷つく。 「今日は試合をメインとしたメニューにしましょう。まずはウォーミングアップとしてグラウンド5周、キャッチボール、素振り………」 月緋が本日の予定を口軽く説明している間、私は唯一部室に張り付いている窓を見つめていた。