「あっおはようございます!葉木先輩!」 ああそうか。この子がいたか。 正体がわかって安堵したので、覗き見の体勢を解き堂々と部室へ足を踏み入れた。 にこにこと眩しい笑顔で、小さな手に入りきらないボールを一生懸命磨いている。 この後輩の鏡ともいえる1年生は佐藤 優梨子という。 ちょこんと小さな体と円らな瞳が特徴的な、いわゆるかわいい系統だ。 「おはよう。今日も早いね」 部活鞄を自分のロッカーに突っ込みながら挨拶を返す。