「おれたち天使にはドアとかの障害物は一切通用しねぇ」
彼は意外と律儀に答えた。私はふぅんと頷く。さっぱりわからない。
「信じてねぇな?」
べリアルは不満そうに私を見た。眉間にしわが寄っている。
「信じれるとお思いで?」
「さっきおれが飛んだの見ただろうが」
「あれはあれ。それはそれ」
「ずいぶんとお気楽主義なんだなてめぇは」
不愉快そうに彼は細い指をごきごきならす。喧嘩を売られているようで怖い。
「私は信者じゃないの。そんなこと言われて信じろって言うほうが無理」
「信じてもらわねぇと困る。現にあんたの前におれが存在してるんだからよ」

