「んなもん決まってんだろ!そいつを幸せにするのが俺の役目だからだ!」
「………ナギサの許嫁?」
月緋はもっともな勘違いをしてくれている。
事実をひん曲げるなら今のうちしかない!と思った私は先を続けようとするべリアルを遮り、
「そっそんなもんだよ!実はべリアルは父さんの知り合いの親戚で!遠い所に住んでたからまずは日本をよく知ってもらおうということで、同居してるの!」
と嘘八百をペラペラ並べた。
「ふーん………でも貴方の父親が男と同居なんてよく許したわねぇ」
「そっそれはその………」
返答を必死に考えたが、月緋はそれを求めているようではなかったので黙っていた。沈黙は金ともいうし。

