私が後ろへ倒れると、投げたときの恰好のまま月緋がにこやかに微笑んできた。
「アホでしょ貴方。自分の体調管理ぐらい自分でしなさい」
ぐるんぐるんと腕をまわし、ごきごきと首を鳴らす。擬音語が多い。
「今日の部活は最悪だったわよ?主将の無断欠勤で士気はがた落ち。なんかしまらない練習になったし、ろくな練習メニューも組めなかった」
月緋はゆらりと立ち上がり、冷笑を浮かべたまま私の後頭部を掴んで無理やり引き起こした。
目前にある冷ややかな目が怖い。
「この罪は極刑に値するわ。直ちに首をつるか手首を切るかで自害しなさい」
「そそそそんな殺生な………!」
「問答無用。できないなら私が即刻首を絞めるわよ?」

