「おい。茶淹れろ茶」


「そその前に事情を説明してよ!」


絶叫するように叫ぶと、男はやれやれと背中まで生やした黒髪をいじった。


枝毛チェックでもしているようだ。枝毛なんてなさそうな髪の毛なのに。


艶々していて髪の一本一本まで栄養が行き届いている。黒真珠のような頭髪を後ろへ押しやり、彼はにやりと不敵に口角を釣り上げた。


「ベリアル、だ」


………名前訊いてんじゃねぇよ!


と私は内心で叫んだが、べリアルがにこりと意味ありげに微笑んだので、台所へ歩いて行くことにした。


茶葉あったかな………