‐槍騎士の姫‐




いや、今はそんな事を考えている暇は無い。


早くナイリスに戻って家臣達と訓練しなければ………。


レイは駆け足でナイリスに戻った。


レイはナイリスに戻る途中でもまたディルのことを考えてしまった。


なんでこんな可愛げのない私を愛してくれるのだろうか…?


いや、それともからかって遊んでいるのか……。


そういうのはよくわからない……。


「御帰りなさい!司令官!!」


ナイリスに戻るとミルが迎えてくれた。


「今から訓練ですか?なら、戦士達を呼んで来ますよ!」


「あぁ。頼む。訓練場に集合だ。」


ミルは元気よく走り出した。


ミルは本当にいい人だとつくづく思う。


私が少し位が上なだけなのに、私に尽くしてくれる。


優しい子だ。


あの子なら私の悩みに答えてくれるだろうか。


いや、今はまだ話をする時ではないな………。


今は戦の事だけを考えておこう…。