ディルから逃れたレイ。
あそこから逃げ出さなかったら抱かれていたかもしれない……。
危なかった…。
レイは手の甲で口を拭きながら当てもなく歩いた。
「レイ様ー!!」
ミルが走りながらこちらに向かって来る。
ミルのおかげで抜け出せれた。
ミルがとても有り難く思えた。
「急に出て行くんでビックリしましたよ……。どうかしたんですか??」
まずい………。
このままさっきあった事を話してしまうと、槍騎士としての名が腐る…。
「い、いや…。外の空気が吸いたくなってな…。」
苦しい言い訳だ。
「そうなんですか!急に走り出すから何かあったかと思ってしまいましたよ!」
よかった………。
ミルは天然のようだ………。
何も疑ってないみたいだ。
ミルが天然でよかった…。


