「来たか、姫よ。」


私は跪いた。

これが王への忠誠だ。


「お言葉ですが、父上。姫と呼ぶのはおやめください。虫酸が走る。」


彼女はナイリスの国王『セイス』の娘、つまり姫と言うことだ。

しかし、姫だからと甘やかされるのを嫌い槍騎士となったのは裏話だ。


「父親に虫酸が走ると。ハハハッ!お前も可愛げないな。」


優しい笑顔を見る国王。

「早く本題に入って欲しいのだが。」


無駄話が嫌いなレイは王を急かした。