「全体、止まれっ!!」
ザッ……。
司令官の掛け声と共に戦士も止まる。
ここは『ナイリス』。
水系魔法を使う国だ。
こんな風に行進の練習をしているとつくづく戦争が近いことが身に感じられる。
私は司令官兼女槍騎士の『レイ』だ。
女が槍騎士ということはかなり珍しいことだ。
しかし私は、男は自分の方が力が強いと女を下に見る、
それはおかしいと思う。
だから私は男が嫌いだ。
そして私は『司令官』という位に伸上がった。
ふと槍騎士のことを考えていると、風が吹いた。
彼女の長い結んである茶色の髪は優しく揺れる。
彼女は顔もスタイル整っておりとても綺麗だが、鎧を着ている姿を見るととても凛々しい。
一般に言う男勝りというやつだ。
背中にはいつも愛用の真紅の槍を背負っている。
「司令官!!王がお呼びです。」
家臣が近寄り私に告げた。
この家臣は名はミル。私専属の家臣だ。
他にも家臣はいるが彼女が一番親しい仲である。
「そうか。」
と短く言うと、足早に去った。