「おい…」
「な、何…?」
「上、見てみろ」
「はっ?上って……」
そう思って上を見上げると
「綺麗……」
すっごく大きな
イルミネーションツリーがあった。
そう。
汰功と一緒に見るつもりだったツリー。
「………っ」
確かに、凄く綺麗。
けど、涙で視界がボヤけて
ちゃんと見る事が出来ない。
「なぁーお前、何でそんなにあいつが好きなんだよ」
「えっ…?」
何で…?
「あんな、冷たい奴。それにどー考えてもお前よりあの……」
「好きだから!!」
「はっ?」
「冷たくても、私の事が好きじゃ無くても私は好きなのっ!!」
だって、嬉しかったんだもん。
単純な奴って思われるかもしれないけど
優しく笑ってくれたり
一緒に喋ったり
汰功の隣を歩ける事が…
「嬉しかったんだもん……」
「……………」
何なのよ…こいつ……
何でこんな時だけ何も言わないの?

