映画を見終わって外に出たら

辺りは既に暗くて

お店とかのランプが付きだしていた。


「うーん…6時半かー…」


イルミネーションは7時に点灯する。

だから汰功はきっと
余りの時間をどうしようか
考えてくれてるんだと思う。


「じゃーさ、その辺回ろー?」

「あー…うん…分かった」


今日の汰功は普段の汰功と全然違う。

デートの内容だって
ちゃんと考えてくれてるし

いつもより優しいし


凄く嬉しい。


けど、日曜日の夜で混んでる街。

恋人同士の2人。


きっと普通ならここで
手を繋いでもおかしくない状況。


なのに、私の右手は
いつまでも冷たいまま。


好きだよ…

汰功の事は凄く好き。


なのに、この不安が消えないのは

この冷たい手だけのせいなの…?



「汰……」

「郷原君っ!?」


えっ…?

こう…はらく…ん……?


「三崎さん……」


三崎さん?