森川くんの顔が迫って来る。 キス出来る距離。 鼻と鼻がぶつる。 森川くんの吐息がかかる。 あと数センチ… でも… 梨架のことをおもうと… 「…ごめんなさい」 「南!」 「ごめんなさい。放して…」 そう言って彼から逃げようと前を向いた時だった。 私達の前に誰かが立っていた。 それは遭遇してはいけない、今、この光景を見てはいけない人物。 「梨架!!」