その日の放課後…。 「えっもうそこまで読んだの?」 「うん、やめらんなくてさ―」 「そうなんだー」 そう言って肘を動かすとペンにぶつかった。 「あっ、ペンが…」 コロコロと転がるペンを慌てて手で取ろうとしたその時、 「!」 手が… 森川くんの手がのびてきて私の手をぎゅっと…握ってきた。 少し沈黙があって… 私は森川くんに離すように目で伝えようとしたが、 森川くんの視界には私をがっちり捕らえていた。 え… また沈黙で… 「朱莉――っ!宏くん―!!」 ビクッ 沈黙を破ったのは梨架だった。