第2章 ファーストキス
え?今、何が起きたの?
今さっき私の唇に何か当たった気がする・・・
もしかして、私かず君とキスしちゃった?
嘘でしょ!?ファーストキスだったのに!!!しかも今さっきかず君からしてきた!?

「いきなり何すんの!?」
私は脳内で0.1秒で状況を把握し、かず君を思いっきり突き飛ばした。
かず君を見ると驚いている。
「えっと、ゴメン。会ってからキスするのはアメリカでは挨拶みたいなもんだったからつい癖で・・・。日本よりアメリカの方がいる時間長かったし。」
その言葉で私は一瞬だけ納得してしまった。
(そっかぁ。そうだよねぇ。確かに、向こうでは挨拶だもんね。)
そう思い、キスの事はそのまま流そうとした。
が!!!良く考えてみると、また怒りが募りだした。
(イヤイヤイヤ。アメリカでは挨拶ってここは日本ですけど!!!しかも、癖でって会った人皆にキスすんのかよ!?そういうのを日本では変態と言って犯罪だよ!?)

でも、私は心で思っている事を表には出さず、ニッコリ微笑んだ。
だけど、かず君は私が怒っているのを悟って、
「笑ってるけど、心の中では凄い悪口言ってるでしょ。隠しても無駄だよ?夢は思ってる事すぐ顔に出るから。これからは本当の気持ち隠さないで?俺も本当の自分隠さないから。」
と言って、悪戯っぽく笑った。
(へ?夢ちゃんじゃなくて、夢?てか、何?本当の自分って。)
意味が分からず頭の上に?マークをいっぱい出していると、かず君が近づいて耳元で、
「そういうとこ、可愛くて大好き。苛めたくなる。これからは覚悟しててね?夢。」
って言って階段を降りていった。