私はしばらく、 その家庭教師に見とれていた。 黒いふちの付いた、ちょっとお洒落ちっくなメガネに ほんの少しだけいじってあるような、爽やかな髪型。 腕には上品でシンプルな時計が見えていて 夏だというのに、長そでのシャツをなんとも涼しげに着こなしている。 こんな人が私の家庭教師に……? そんなの、頭ん中がポ~っとなって ついつい見とれて 勉強なんて できるわけないじゃ~ん…… 私の目から バシバシとハートが飛び交った。