深々と頭を下げる。
私の人生はもしかしてここで終わるのだろうか。



床とにらめっこしたまま、色々と考える。



「…はあ、もういい」



呆れたような声が聞こえたと思ったら、ため息までつかれた。



しかし、もういいという言葉が聞こえた。



恐る恐る頭をあげると、明らかに不機嫌そうな顔が見えた。



まだ、怒ってる。
そりゃ、怒りますよね。



「あの、本当にすみませんでした」
「もういい。阿呆らしくて怒る気にもならない」



私は、もう一度すみませんと謝った。
怒る気にもならないって、言ってるけど、明らかに顔が怒ってる。



「あの、私なんでもしますから」
「当たり前だ。」
「はい…」
「元々この家に住まわせてもらう身だ。こき使わせてもらう」



左様ですか。
こきって…私はお手伝いさんじゃないけど、仕方ないよね。



私、今日からここに住むんだもんね。



「井崎慎也(いざきしんや)」
「へ?」
「俺の名前だ。」
「あ、…私は飯田美月です。」
「いいか、お前はここの家賃代+車の修理費分しっかり働いてもらうからな」
「は、はい!!」



もう断ることなんて出来ない。
私は、ママとパパが帰ってくるまでこの人と暮らさなくちゃいけないんだ。



不安はかなーりあるけど、怒られないように、そして追い出されないように頑張ろう。