『ママは美月の事大好きだからね!』
『美月。ママはパパとラブラブしてくるね☆』
朝空港での出来事を思い出してはあ、と渡された地図を見ながらため息をつく。
いくら高2とはいえ、大事な子どもをおいて二人共海外なんてひどい!!
最初は、泣いてたのに出発間際にはルンルンになって…
何が『ラブラブしてくるね☆』だ!!
勝手にラブラブしてこい!!
苛ついて、道端に転がっていた石ころを蹴っ飛ばした。
-ガンッ
へ?
ガンッ?
明らかに私の怒りの籠もった石ころのせいであろう鈍い音が聞こえた。
見ると、小さいが車に傷がついていた。
「うっそ……最悪」
なんかやけにピカピカだし、余計に傷が目立っている。
ど、どうしよ。
知らぬ顔して通り過ぎるなんて絶対ダメだよね。
もしかして、多額の修理費を出せとか言われちゃうわけ?
そんなの絶対に払えないよ。
私、バイトしてないし。
両親海外だし!!
すると、
「俺の車の前で何してる?」