「ぶっ」



ぶっ?



そんな音が聞こえたと思ったら、いきなり井崎さんが笑い出した。



初めて見る弾けるような笑顔の井崎さん。



そんな井崎さんに何故か胸がドキドキした気がした。



「お前、食い意地すごそうだな。」
「な…」
「オムライスごときでそんな幸せそうに。」



こんな風な顔するんだっていうぐらい井崎さんは笑っていて。



そんなに笑えるかな?
ってか、だんだんムカムカしてきたよ!



「悪いですか!」
「いや、ただ珍しくて。そんな風に食べ物一つで幸せそうに笑ってるからさ。」



ムカムカするけど、なんかどぎまぎする自分がいるのは何故でしょう。



「アホ面まるだし。」
「な!…失礼です!!」



色んな感情が入り混じるけど、なんか嬉しかった。



私、井崎さんに嫌われてなかったみたいだから。



それに、案外笑いのツボにはまりやすいみたいだし。



ほんとは、いい人なのかもね。



「口の周りにソースついてるぞ。本当に餓鬼だな。」



………。
やっぱり嫌な奴には変わりない!!