なんで謝っているのか、自分でもよく分からず、もう大人しくしてようとじっと下を向いたままでいた。
すると、数分後。
「はい、今日のメニューはオムライス。」
光さんがやってきて、私達の前にデミグラスソースがかかったオムライスののったお皿が置かれた。
「うわぁ、おいしそー」
「ほんと?じゃあ、召し上がれ♪」
私、オムライス好きなんだよねぇ。
特に、少し半熟な感じなのが。
まさに、自分の好みのオムライスでテンションがあがる。
「いただきます」
隣の井崎さんは、既に無言で食べ始めていた。
私は、手を合わせるとスプーンで一口オムライスをすくった。
「ん、おいしー」
「嬉しいよ。美月ちゃんオムライス好き?」
「はい。」
ほんと幸せのレベル低いと思うけど、今すごい幸せ。
すると、光さんは他のお客さんに呼ばれ違う席に行ってしまった。
「そんなに美味しいか?」
光さんが居なくなった途端、私に声をかけてきた井崎さん。
「はい。とっても。」
「ここは、メニューが無いんだ。だからメニューはあいつの気まぐれ。だけど、オムライスはよっぽど自信があるのかしょっちゅうだ。」
「いいじゃないですか!こんな美味しいオムライスなら毎日食べても飽きないですよ。」
私は、何故か井崎さんに向かって力んで話してしまった。
でも、なんだか井崎さんの雰囲気が柔らかくなった気がして、ちょっと喋りやすくなったからかな。
それは、このお店とオムライスと光さんのおかげ?