君と一つ屋根の下






すると、



「あれ、シンが女の子連れてくるなんて久しぶりじゃん」



そこの店員であろう人が、カウンターの中から声をかけてきた。



長髪の茶髪を後ろで束ねたかなり美形の男の人。
シンって呼んでるから、かなり井崎さんと仲がいいみたい?



「うるせー、こっちは客だぞ?早く飯出せ。」
「ほんと相変わらず口悪いんだから。ねー」



店員さんに同意を求められ、苦笑いで返す。



心の中では、思いっきり頷いたけど。



「俺は、南津妃光(なづきひかる)ここのオーナーだよ。」
「あ、飯田美月です!」
「美月ちゃんって可愛いね。」
「へ?…そ、そんな…」



嘘でもお世辞でも可愛いなんて言われたら普通に女子は嬉しいよね。



可愛いなんて、自分では思ってないけど!!



「俺の事は光って呼んでもらっていいから。ちなみにシンとは小学校からの仲……」
「いいから、早く飯出せ。」



せっかく光さんが話してくれようとしたのに、井崎さんが止めに入ってしまった。



もしかしたら、井崎さんの事を色々と知るチャンスだったのかもしれないのに。



「はいはい。作ってこればいいんでしょ。」



なんか井崎さんと光さんは正反対な感じがするのに、今のを聞いていても、仲が良い感じするなぁ。



それに、あんな強い口調のくせに井崎さんは光さんのお店に通ってるんだもんね。



なんか井崎さんって、変な人。



「お前、何笑ってるんだよ」



そして私に向かってキモイ、と井崎さんは言う。



き、キモイ!?
私、無意識に笑っていたのかな?



今さらに手遅れだが、口を抑える。



「遅いだろ。」
「…すみません」