荷物の整理をしていたら、あっという間に夕方。
そろそろ夕飯の準備しなくちゃね。
向かいの部屋に音が響かないように静かに戸を動かして、階段を降りる。
台所について、冷蔵庫の中を確認するが、すっからかんに近い状態。
しっかりとした食生活を送っているのか、心配になるぐらいだ。
ほぼ何も入ってない、冷蔵庫を占める。
よく見たら、キッチンのはずなのに調理用具がほとんど見当たらない。
綺麗なキッチンはまるで新品のよう。
いいキッチンなのに勿体無い。
これじゃあ、料理が出来ない。
そして、買い物に行こうにもお金がない。
井崎さんに聞かなくちゃいけないんだけど、あの部屋を訪ねるのはなんか勇気が必要な…。
んー、出来れば行きたくないなぁ。
なんか不機嫌だったら機嫌損ねそうだしなぁ。
しかし、彼がいないと何も出来ないし分からない。
私は重い足で井崎さんの居る部屋に向かった。