「それは…私にも分からないです。何故力があるのか。自分は一体何者かも…。私…怖いです。自分自身のことなのに何も知らない。」

「そうか。」

土方はかける言葉が見当たらなかった。

「あ…でも関係ないと思いますが…。」

「なんだ？話してみな。」

「私の中で知らない記憶があるんです。」

「知らない記憶？」

「知らない記憶です。」

夢の中でたまに出てきた。
それはある女の人が木の側で歌っていた。その女の人は背中に羽が付いていて、髪は私みたいに腰ぐらいまであって、目はぱっちり二重で肌は凄く白かった。
フワフワした薄い水色のワンピースを着てて…。
周りにいた人は女の人の歌声を聞いて女の人のことを歌姫と呼んでいた。