優が亡くなってから一週間。
真梨は朝餉を作り終えて、桜の木にもたれかかっていた。

「もうすぐ梅雨だ……。」

真梨はぼーっと遠くを見つめる。

「真梨…此処にいたのですか。」

やってきたのは沖田だった。

「ろくにご飯食べてないじゃないですか。」

真梨の隣に座りおにぎりを渡してくれた。

「ありがとう……。」

私はおにぎりを食べた。しょっぱくて……でもおいしかった。食べ終わると2人で少々空を見上げた。

「無力だ。」

真梨はポツリと呟いた。

「え?」

「私は無力だ。優を助けてあげれなかった。」

沖田は黙って聞いた。