「分かってるくせに…。」 真梨はポツリと呟いた。 「え?」 「分かってるくせにって!山南さん分かってるんでしょう?私がどうしているか。だってそれは…」 最後の方がだんだん弱くなった。 「………分かってます。真梨が言いたいことは。」 真梨は山南と目を合わされず下を向いた。 「さ、今日はいい天気ですし何しますか?」 「……散歩。散歩がいいです。」 「そうですか。では町へ行きましょうか。」 「久しぶりに町に来ました。」