パラドックスガール

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「っ」


玲央が息を呑むのがわかった。
一瞬触れただけの、ただのほっぺにちゅー。
そうやって自分に言い聞かせる。
言い聞かせたいのに。


「…そんなに赤くならないでください」


「うぇっ、や、あの」


あたしがちゅーしたところに触れながら、顔が真っ赤の玲央。
指摘すると慌ててどもった。


「そんな赤くなられると照れるからやめて。今すぐ」


「無理。絶対無理。うわどうしよう僕」


「どうもしなくていいから。」


真っ赤なままで、でも嬉しそうにはにかむ玲央に、目が合わせられない。


「茗子」


「…何」


呼ばれて、少しだけ横目でこいつを見る。
すごく後悔した。



「茗子、大好き」



「―っ!」


不意打ちの笑顔と告白に、今度はあたしが顔を真っ赤にする番だった。




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