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「…」
うつ向いたまま聞いてくる玲央に、あたしの表情は引きつった。
さっきの玲央の背中が微かに揺れたのは、勘違いではなかったらしい。
完璧にあの言葉に反応していたのだ。
「ねぇ、誰なの」
顔を上げてずいっと近づいてくる玲央。
「誰って…」
あたしは空いてる左手で、なんとか玲央の胸を押し返す。
が、びくともしない。
「僕の知ってるやつ?学校の生徒?」
なおも問いただしてくる玲央。
玲央の目にあたしが映るくらいの距離で、真っ直ぐ見返せない。
「…ねぇ、茗子」
見られてることに耐えられなくなって、あたしは目を強く瞑った。
刹那、聞こえた玲央の声は、
「お願いだから、僕って言ってよ…」
消え入りそうな、切望するような声だった。
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「…」
うつ向いたまま聞いてくる玲央に、あたしの表情は引きつった。
さっきの玲央の背中が微かに揺れたのは、勘違いではなかったらしい。
完璧にあの言葉に反応していたのだ。
「ねぇ、誰なの」
顔を上げてずいっと近づいてくる玲央。
「誰って…」
あたしは空いてる左手で、なんとか玲央の胸を押し返す。
が、びくともしない。
「僕の知ってるやつ?学校の生徒?」
なおも問いただしてくる玲央。
玲央の目にあたしが映るくらいの距離で、真っ直ぐ見返せない。
「…ねぇ、茗子」
見られてることに耐えられなくなって、あたしは目を強く瞑った。
刹那、聞こえた玲央の声は、
「お願いだから、僕って言ってよ…」
消え入りそうな、切望するような声だった。
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