パラドックスガール

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「茗子!」


「はいっ!」


いきなり大声で名前を呼ばれたので、慌ててそちらを向いて返事をする。


「こっちきて」


そう言って、凛子はあたしの手首を掴んだ。


「え、何、もうすぐ授業…」


「そんな泣きそうな顔で授業とか言わないの。
出席なら珠希になんとかさせるから、ほら、シャキシャキ歩く!」


少し怒鳴るように言いながら、あたしの反論も聞かずに連行されてしまった。



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