カランカラン


「いらっしゃいませ―」


ここのカフェ、今年できた新しいお店なんだよね。


一度来てみたかったんだ!


あ、もちろん麗華もいるよっ!


どこか行くときは麗華も誘わないと


『なんであたしも誘わなかったの!?』


って鬼のように怒られるからね・・・


あたしにはかなわないんだよね・・・


「えっ!?あれって草木財閥と安藤財閥の人じゃない!?」


「本当だよ!握手してもらおうよ!」


げっ!ここにもあたしたちのこと知ってる人いるの!?


まぁ、知らない人なんかいないしね


むしろ知ってない人がいたら珍しいし。


やっぱ人気者はつらいですね・・・


握手大会のイベントみたいな風で今日はお茶もできませんでした。


行っただけでお茶出来ないなんてやっぱつらいし悲しいです。


扉を出てすぐに目に入ったのが・・・


あの殺人犯の人、小井出勇太だった。


「あ!萌香、あのイケメン君いるよ!会いに行こうよ!」

「ぜ、絶対嫌だ!」


「なんで~?嫌がるなんて珍しいじゃん!」

う・・・、す、鋭いっ!


なんてすごく鋭いんだっ!