どうしたらいいんだろう。どうしたら、ナツは許してくれる?




「うわ! くっせ! これ、いつのだ?」


 バイトが終わったあと、俺は帰ってきた。


 そして、散らかった部屋の片づけを始めた。


 自分からこんなことをしたのは、初めてだった。いつもは気にしないし、やってくれるのはナツだったから。


 でも、いつもナツは手早くやってしまうのに、俺がやるとなかなか進まなかった。


 目につく限りのゴミをゴミ箱に入れたらあっという間にゴミ箱は満杯になってしまった。しかも、捨てても捨ててもゴミは出てきて、いつのか分からないコンビニ弁当の空の容器が臭っていた。


 俺、いつもこんなのをナツに片付けさせてたんだ……


 そう思ったら、自分が情けなくなった。


 ナツは一度も、そんなことを言ったことなんてなかった。こんな部屋なのに、ずっと片付けてくれてたんだ。


 でも、これからは、ナツにそんなことさせない。俺がちゃんと部屋の片付けをするようにする。


「えーっと……これは燃えんのか?」


 俺は鼻を押さえながらコンビニ弁当の空を見て悩んだ。


 ナツは、いつもゴミを分別している。俺もちゃんとそうして部屋を綺麗にすることができたら、ナツは俺のことを見直してくれるかもしれない。


 多分、これはプラスチックだよな? プラスチックって燃えんのか? 燃えなさそうだけど……あ、もしかしてリサイクル? ……っぽいよな。材質がペットボトルに似てるし。


 俺はゴミ袋にそれを入れた。

 ……ん? でも普通、リサイクルってペットボトルだけか? コンビニのゴミ箱はペットボトルだけだった気が……


「あー! わっかんねー!」


 考えてるうちに分からなくなって、俺はゴミ袋を放棄した。


 したこともないことをしようとしても、俺の性格上、こんなことできるわけない。