一通りのことが終わった後、ほぼ同時に果てた彼女の荒い呼吸が、俺の耳元で聞こえる。


 俺が彼女の上で動いていると彼女の腕が俺の首に回って、必死にすがりつくように抱き締められた。


 すぐに果ててしまったのは、その状態で耳元で色っぽい喘ぎ声を聞いていたから、余計に興奮してしまったのもあると思う。


 そして今も、彼女の腕は俺を離さず、まるで恋人同士のようにピッタリとくっついている。


 耳に彼女の熱い息がかかって、俺はまたも興奮して、その気になれば、もう一回出来そうだ。


 本当にどうかしてる。


 俺は、いくらタイプの女の人でも、彼女じゃない女の人には欲情したことなんてなかったのに……いくら今は彼女が居ないからと言っても……どうして今日は、こんなに興奮して、やっちゃったんだろう……



 俺はそっと彼女の腕を解くようにして、体を起こそうとした。


 彼女の腕は、いとも簡単に解けたけど、今度は彼女の手が、俺の首から滑って顔へ行く。


 そのまま俺の顔を、彼女の両手が挟むように、するりと撫でられた。

 今度は一体何なんだろうか。


 わけも分からず、そのを外そうとも出来ないで、俺は彼女を見下ろした。


 え…………


 そう思った時には、彼女の顔が近付いてきて、俺の唇を塞いでいた。


 しかもそれは、とても濃厚なもので、彼女が積極的に舌を俺の口の中に入れて、動かしている。


 口の中の隅々まで、彼女の舌が舐めまわして、舌を絡められて、音を立てて唇を吸われた。


 俺は、まさかそんなことをされるとは思わなくて、呆然と固まって、彼女にし返すこととか出来なくて、されるがままになってしまった。


 しばらくそうされた後、彼女はゆっくりと唇を離した。彼女の唇は、濡れて光っている。

 思わず見とれていると、彼女の唇はゆっくりと開いた。