「え……いいの? 平日だからダメって言ってたのに」

 口から出たのはそんな言葉だった。


 でも、俺がいくら言っても泊まりはダメだっていってたのは、つい昨日だ。なのに何でいきなり……


「うん……でもやっぱりバレンタインだから、特別ね。…それに、ケーキ作るの時間かかるし、旬がうちに来るんだったらゆっくりめに作れるし……あと、朝もいつも通りにできるから」


 ああ、そうか。確かにケーキ作るのは時間かかるよな。

 俺はナツが言ったことに納得する。


「別に旬が嫌ならいいけど?」

 ナツの言葉に、俺ははっとする。


「行く! 絶対行く!」

 俺はすぐにそう言った。


 理由なんて、なんだっていい。ナツがせっかく泊まりでいいって言ってくれたんだ。それで嫌なんて言えるわけがない。


 バレンタイン、すっごく楽しみだ!