「ん~……」

 彼女は、ベッドの上でごろりと寝返りを打って俺に背中を見せる。


 見るからに、無防備なその姿……(おまけで太ももの際どいラインのチラリズム付き)


 俺は、ベッドに片膝をそっとついて、彼女に近づき、手を伸ばした。


「あ」


 突然彼女の体が起き上がり、俺は驚いてはねのいた。


「シャワー浴びないと。あたし先に浴びていい?」

 俺に振り返り、彼女はそう言った。


「うっ、あっ、ハイ!」

 俺は狼狽えて言葉を噛み、声を裏返しながら頷いた。


「じゃあ行って来まーす」

 彼女は、ベッドから下りて、鼻歌混じりに風呂場に向かった。



 彼女が居なくなって、俺は頭を抱えた。


 俺……今、普通に何しようとした?ていうか、何でここまで来ちゃったんだ?


 いや、でもあんな風におっきいおっぱいくっつけて引っ張られて、ふりほどけるか?

 無防備でむしろご自由にどうぞ的にパンツとか足とか見せられて、手が伸びないなんて有り得るか?


 男なら、それも健全な男子なら、どっちもノーだ。そのはずだ、多分。


 て、ことは、だ。

 こうなったからには、欲情するのが当たり前だ。それが自然の摂理! 何も恐れることはない!(はず)


 ここまできたら、やることは一つしかない。


 しかも、相手も了承してるみたいだし……ここでやらなきゃ男が廃るってか!?


 ……と、考えていると風呂場のドアが開く音がした。


 そっちの方を向くと、バスローブに濡れ髪で、さっきまで着ていた服を持っている(ちらっと下着類も見えたから、多分下はマッパだ)彼女が現れた。


「お先に出たよ~」

 髪を拭きながら彼女は俺に向かって言う。


 化粧がシャワーで全部落ちて、彼女はスッピンだった。

 でも、『誰!?』と言うほどの大差はなくて、印象が少し幼くなったって感じだ。


 それもまた何か可愛くて、またもや俺はドキッとしてしまった。


「あ、シャワー浴びて来る?」


「え!? ……あっ、はい。浴びます」

 俺は必要もないのにやたら畏まって、敬語で頷いて、風呂場へと行った。