「ナーッちゃん」


「……何? いきなり」


 こっちを向いたナツの頬に、俺は軽くキスをした。


「へへっ」


 ナツはきょとんとしている。その顔が可愛かった。


「なっ何すんの、いきなり!?」

 すぐに真っ赤になって、ナツは頬を押さえる。


「ナツが可愛かったから」

 俺は笑いながら答える。


「意味分かんないっ。もう! ご飯中にやめてよね! しかも砂糖でベタベタじゃない」

 そう言いながら、ナツはふきんで頬を拭いた。

 ちょっと必要以上に拭いてるけど、多分恥ずかしがってるだけだ。


 ……そうだよな?……そういうことにしちゃおう。


 でも本当にいいな、こういうの。

 ナツと結婚して、一緒に暮らし始めたら毎日こんな感じにできるのかな……

 いや、こんな感じどころか、毎日あんなことやそんなこと…こんなことまでできちゃうか?


 ……それって、かなり最高かも!


 でも今すぐ結婚ってわけにもいかないし……せめて一緒に暮らしたいけど、それだって無理だろうし……


「……あ、そうか」


 色々考えて、俺はいいことを思い付いた。


「何? どうしたの?」

 ナツは首を傾げて俺のことを見ている。


 そんなナツを見つめ返して笑うと、ナツは更に不思議そうな顔になっていた。