「別に今すぐ答えが欲しいわけじゃない、ちゃんと考えてみて欲しい。答えが出るまで、ずっと待ってるから」

「うん…わかった」

その後、誠は「じゃあ…俺帰るな!」と言って中庭を去って行った。

「びっくりしたぁ…」


あたしはその場に座りこんだ。

まさか、誠がそんな風に思ってたなんて…


この時、動転していたあたしは気づかなかった。

―――――"あの人"が見ていたことを。