「――唯衣…」

遠くで声が聞こえる。

その声の主は間違いなく、あたしが大好きな悠ちゃん。

久しぶりに聞く悠ちゃんの声はとても悲しそうだった。

「唯衣、ごめんな…」


悠ちゃんがあたしに話しかけている。

声だけでも、涙が出そうになった。

久しぶりに幸せな夢を見れたと安心したあたしは、その声を聞きながら深い眠りに落ちていく。

「―――お前のこと…」

悲しそうに言ったその声はもう、あたしには届いていなかった…