仕切り直して呼吸を整える私たち。
お姉ちゃんははきはきとした物腰で、遠足の説明をする先生のように言った。
浮気疑惑どこ吹く風、というほどの明るさ。
「とりあえず、今日は母さん帰り早い日だろ。そう思ってあたしも早びけしてきたんだ」
「・・・というと?」
「まあ、もし母さんが外出するようなら、あとをつけてみようってのがあたしのアイディア」
そう言ってお姉ちゃんは、大きな瞳をキラキラ輝かせた。いったい何がそんなに嬉しいのか、謎である。
迷ってる私に、お姉ちゃんはさらに迫ってくる。
「アキは、どうしたい?一緒に来るか。現場をこの目で確かめてみないか」
「えっと・・・」
迫りくるお姉ちゃんの熱気に息苦しさを感じながらも、答えはもちろん決まっている。
「行く」
「よし、それでこそあたしの妹だ」
お姉ちゃんはカラカラ笑いながら、私の背中を思いっきり叩いた。目から眼球が飛び出るくらい痛い。
こうして私たちの浮気調査は、始まりを告げたのだ。
