どうしていいのかわからなくなった私。黙って下を向く以外に、何ができると言うのか。
「・・・」
私は無言でドライヤーのコンセントを入れると、ごおごおと熱風に髪の毛をさらした。
そんな私の様子を事細かに観察?している母と姉。乱雑な会話ばかりしていると思いきや、なぜか私のことは細かく様子に配慮している模様。
配慮するなら、せめて先生のことを褒めてくれ。もし私のことを大切に想ってくれているなら、せめて加藤先生の素晴らしさをわかってくれ。
心で訴えた私に答えるようにして、姉は言った。
「まさかアキ、アイツのことかっこいいとか思ってたりして・・・」
「ごほッ!げほげほ・・・」
あまりにも唐突な核心をつく言葉に、私は激しくせき込んだ。
「んなわけねえよな。加藤はどう見たってカエルオヤジだし」
「・・・そうだよ、そうそう!私、オジサンになんて興味ないもんね!」
姉の台詞に思いっきりうなずいてみせた私。けれどその時の母と姉は、なぜだか知らないが、にやにやにやにや不吉な笑みを浮かべていた。
