困った笑顔も、加藤先生そのものだった。 「ごめんね、びっくりさせるつもりはなかったんだ」 「あ・・・もしかしてこの間の店員さんですか?」 いかにも白々しく尋ねた私。だが彼はそんな私の思惑などに気づくはずもない。 「そうそう。この間シール貼ってあげるって約束したでしょ」 「わざわざ覚えててくれたんですか!恐縮です・・・」 いかにもいい子ぶった仮面で顔を固めた私。 だが正体は人間の仮面をかぶった妄想妖怪なだけに、彼をだましているようで肩身が狭い。